2019年4四半期のニューヨーク不動産マーケットリポートが発表されました。
コンドミニアムは、前年比で販売価格、件数ともに減少。平均販売価格下落の原因は、5ミリオンドル以上の高級物件の販売件数が大幅減少した為です。また、販売件数は、中古物件が大部分を占めています。在庫数は9年間連続で前年比を上回り、供給拡大により入札競争が少ない四半期となりました。
新開発物件は、3年連続で市場販売シェアの増加はしているが、10年間の四半期平均と比較すると減少。3年前、販売件数10件中6件が新築物件であったのに対し、2019年は10件中4件が新築物件と販売件数が減少しています。
ニューヨーク不動産市場・2019年4四半期まとめ
今四半期の売上高は前年同期を下回りましたが、2017年の秋以来の最も低い減少率となりました。
2018年4四半期前に導入されたSALT税、ニューヨーク州での新家賃規制とマンション税の導入の影響で、5ミリオンドル以上の高級物件の売上高が、37.6%減少しました。最も減少率が高かったのは7ミリオン~20ミリオンドルの超高級物件で前年比50%近く減少となり、5ミリオンドル以上の物件は過去7年間で一番低い売上高となりました。
過去4年間供給の拡大が継続しており、ニューヨーク市全体の物件在庫数は昨年同時期と比較し9%増加しているが、市場全体の販売ペースは低下するペースが緩和しています。
SALT税とは
州・地方税の連邦税控除が1万ドルの上限額が設定されたことにより、所得税減税効果が減少しました。
ニューヨーク市の新マンション税
従来は1ミリオンドル以上の物件購入時に1%適応されていました。新マンション税では、2~3ミリオンドルの場合は1.25%、3~5ミリオンドルの場合は1.5%、5~10ミリオンドルの場合は2.25%、と購入価格に応じて税率が上がっていきます。
売却時の新不動産譲渡税変更
3ミリオンドル以上の物件に限っては、従来0.4%だった譲渡税が0.25%追加され0.65%となりました。
ニューヨークの新家賃規制
借主に優しく家主に厳しい規制改正となりました。①従来は家主が大規模な改修工事を行った場合、家賃を6%引き上げることができましたが、2%までとなりました。②レントコントロールのアパートの家賃が一定の賃料を超えた場合は、家賃規制法の対象から除外されていたのが廃止となりました。③空室となった際は、最大20%を賃料をあげることが事ができた条項が廃止となりました。