2020年・ニューヨーク不動産市場まとめ
2020年、ニューヨークの不動産市場は勢いよくはじまりました。
しかしパンデミックにより3月から約3か月間、ブローカーは物件を見せることができず、コンドミニアムの建設が中止され、そして、何十万人もの富裕層がバケーションハウスや郊外の町に引っ越した為、不動産市場は急減速しました。
しかし、コロナウイルスの症例が落ち着き、規制が緩和された後、市場は回復し始め、その結果、年末に取引が急増しました。
マンハッタンの売り上げ高は2019年と比較して30%減少しましたが、中央値は105万ドルと前四半期比4%しか下落しておりません。
コロナ禍のために失業する可能性が高いエントリーレベルの買い手は事実上欠席しましたが、富裕層は引き続き高額な物件を購入したからです。
コロナ禍以後の買い手の嗜好が若干変更しました。ホームオフィスへの需要の高まりにより、広さを重視する傾向にあります。
2021年・ニューヨーク不動産市場
予防接種の開始とともに2021年は希望の中で始まり、不動産販売契約数は堅調です。
全体的にマンハッタンの不動産市場は安定しており、回復の兆しが見えています。
現在の課題
マンション税
2019年に変更された1ミリオンドル以上の高額物件販売に対するマンション税です。
販売価格とともに段階的に上昇し、25ミリオンドル以上の販売に対しては最大3.9%となる為、売上の足かせとなっています。
Pied-a-Terre(ピ・エ・ア・テール)税
Pied-a-Terreとは、 物件の所有者が主たる住まいとしてではなく、週末または短期間にのみ別荘のように使用する事です。マンハッタンでは、アッパーイーストサイド、セントラルパークサウス、SOHOがPied-a-Terreの住まいとして人気があります。
今、ニューヨークの議会にPied-a-Terreに税金を加算するという法案が提出されています。
通常の固定資産税に加え、5ミリオンドル以上の物件には、0.5%~4%のPied-a-Terre税を加算し、評価額が30万ドル以上のマンションの場合は、年間10%から13.5%のPied-a-Terre税を加算します。
尚、評価額は、通常市場価値よりも低く評価されますので、市場価格が30万ドル以上の物件でも評価額が30万ドル以下なら、Pied-a-Terre税は加算されませんので、購入前に確認しましょう。
議会で可決されれば、富裕層がPied-a-Terre使用目的として購入するのを控える可能性が高まり、高額物件販売件数に影響を与えるでしょう。