2026年ニューヨーク不動産住宅市場予測:在庫増加がもたらす投資チャンスとは?

2025/12/19 タグ: / / / / / /

販売市場の現状と展望

2025年のニューヨーク市(NYC)住宅市場は、売り手・買い手双方が市場に戻り、活発な動きを見せました。
在庫数の増加に伴い成約数も伸びていますが、価格は急騰することなく安定。
希望価格に近い水準での取引が定着しています。

特筆すべきは、物件の回転速度です。2025年の市場滞在日数(中央値)は68日と、前年より4日間短縮されました。

Zillowの予測では、2026年にかけて住宅ローン金利は緩やかに低下する見込みですが、2020年〜2021年のような「超低金利時代」への逆戻りは期待薄といえます。
しかし、これは決してネガティブな要素ではありません。2021年〜2022年前半の「極端な在庫不足による入札合戦」が鎮静化し、現在は選択肢が豊富な「健全な市場」へと移行しているからです。

市場環境の比較:2021-22年 vs 2026年予測

物件供給の回復と「共同購入」の広がり

1. 新規物件数は2022年以来の高水準

2025年1月〜10月の新規登録物件数は35,048戸(前年比1.6%増)に達しました。
売買が活発でありながら、供給が追いついているため、需給バランスが改善されています。
買い手にとっては、じっくりと比較検討できる「希望のあるマーケット」といえます。

2. 共同購入(Co-Buying)のトレンド化

高止まりする物件価格への対策として、パートナー、友人、親族と共同で購入するケースが増加しています。
調査では買い手の半数以上が共同購入を検討しており、投資スキームとしても多様化が進んでいます。

賃貸市場:ライフスタイル重視の傾向が鮮明に

2025年の平均家賃は前年比4.8%上昇しました。
NYC全体の慢性的な供給不足は続いていますが、新築・築浅物件の供給が進んだことで、ハイエンド層の家賃上昇はやや落ち着きを見せています。

現在の賃貸市場では、単なる「居住スペース」ではなく、以下の付加価値が成約の決め手となっています。

充実のアメニティ: ジム、ラウンジ、ルーフデッキ
・ワークライフバランス: 高機能なワークスペース 生活スタイルそのものを提供する物件へのニーズが、賃料を下支えしています。

プロの不動産ブローカーとしての見解

2026年のNY市場は、特定の側に有利な市場ではなく、「動きのあるバランス市場」になると予測します。

買い手へのアドバイス: 優良物件の足は早いため、即断即決できる準備(事前承認等)は必須です。ただし、以前のような無理な価格吊り上げに巻き込まれるリスクは低くなっています。

売り手へのアドバイス: 適正価格であれば早期売却が可能です。しかし、「強気の高値設定」は通用しにくいフェーズに入っていることを認識すべきです。

まとめ:2026年は「実需」と「長期保有」の好機

2026年のニューヨーク市場は、売却スピードは維持しつつも、在庫増により買い手にも十分なチャンスがある「健全な市場」です。
価格上昇は緩やかなため、短期転売(フリップ)で利益を出すのは難易度が高いですが、ドルの資産価値を守る長期的な資産保有や、実需での購入には絶好のタイミングといえるでしょう。

※本記事は StreetEasy の情報をもとにまとめています。