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【市場概要】予想に反して好調な滑り出し:住宅販売が急増
昨年の初め、市場参加者は住宅ローン金利が急激に下がると予想していたため、消費者は様子見の状態になっていましたが、その予想は外れました。
前年同期の市場の低迷に比べて、今四半期は活動が改善し、多くの指標が大幅に上方修正されました。販売件数は前年同期比で28.8%増加し、2,560件に急増しましたが、過去10年の平均を上回ったのは今回が初めてです。
(参考:Elliman Report Q1-2025 Manhattan, NY Sales)
【主な統計】販売急増と融資回復が市場を押し上げ
– 販売件数: 前年比28,8%増加して2,560件 →過去10年平均を上回る初の記録。
– 物件在庫: 前年比20.1%増加して7,399件
– 平均販売期間: 8.7ヶ月(前年比1.7ヶ月速く販売)→但し、過去10年の平均(8ヶ月)より若干長め
– 値引き率: 6.6%(前年と変わらず)
– 現金購入: 全体の58%を占める →過去10ヶ月の住宅ローン金利の緩やかな低下で、融資利用の販売は現金の2倍のペースで増加(融資販売は前年比404%増、現金は21.8%増)。
【コープ(共同住宅)】ー販売ペースが供給を上回る
販売件数は、売り出し物件数よりも前年比で速いペースで増加。
すべての価格動向指標が前年比で上昇。
入札競争が占める市場シェアは、年々拡大。
【コンドミニアム】ー価格上昇と高額物件の現金取引が加速
販売件数は前年比で、売り出し物件数よりも速いペースで増加。
すべての価格動向指標が前年比で上昇しました。
300万ドル超の物件の売買取引のうち、約9割が現金購入。
【高級物件】ー過去2年で最高値、供給不足が拍車
価格動向指標は、全体の市場よりも大きく前年比で上昇。
売り出し在庫数は、中古・新築の両方で前年比減少。
価格基準は、全体の市場価格とかい離する形で、過去約2年で最も高い水準に達す。
【新規開発】ー新築販売シェアは安定、500万ドル超の物件が急成長
販売件数は前年比で急増し、特に500万ドル超の物件では、中古物件の販売件数を大きく上回る伸びを見せた。
平均取引面積は、過去4年以上で2番目に速いペースで前年比増加。
新築開発物件の販売シェアは、第1四半期としては過去10年間の平均水準と一致。
【市場の特徴】ー熱気続く住宅市場:価格・共益費ともに上昇、新築も存在感
入札戦争の市場シェアは54%で前年同期と同水準。
コンドミニアムの平均月額維持費は$2,974(前年比8.8%増、$2.51/平方フィート)。共益費+不動産税は$4,802(前年比16.3%増、$9.28/平方フィート)
高級市場($440万以上)の平均販売価格は$6,870,875で前年同期比18.5%増加。平方フィートあたり価格は16%上昇し$3,173、5年ぶりの高水準。
新規開発物件の市場シェアは12.8%に増加し、販売件数も9.5%増で過去10年の平均に迫る。
【今後の見通し】
マンハッタンの不動産市場は、価格上昇と販売増加傾向にあり、より高価なサブマーケットへのシフトが予想されます。
特に高級物件は需要の高まりを受け価格が更に上昇傾向です。価格が上昇中、比較的価格の低いコーポへの関心が高まり、購入者はコーポの困難な承認プロセスを乗り越える価値があると見なし始めるでしょう。