先日、Alliance for downtown New York でマンハッタンの最南端、ローワーサイドの911の後の復興について詳しくお話を伺う機会がありました。
目次
ローワーマンハッタンの開発の取り組み
Alliance for downtown New Yorkは、ビジネス改善地区(BID=Business Improvement District)のグローバルモデルとしてローワーマンハッタンを開発させるために様々な活動を行っています。具体的には、セキュリティーと衛生の改善、経済開発擁護、ローワーマンハッタンに関する総合的な研究や特別イベント企画等があげられます。
ローワーマンハッタンはCityhallより南側のエリア
ローワーマンハッタンは、市庁舎 Cityhallから南側のエリアになります。自由の女神フェリー乗船地、グランドゼロ、911メモリアル、ウォール街、牛のオブジェ、トリニティー教会と観光に外せないスポットとなっています。
ローワーマンハッタンのオフィス家賃相場
2008年に金融危機が発生した時点では、このエリアのオフィスの50%以上のテナントが消防関係でしたが、現在のテナントは、消防関係35%、政府関係20%、プロフェッショナルサ―ビス15%、TAMI(Technology, Advertising, Media, Information sectorsの略=テクノロジー、広告、メディア、情報機関)15%とかつてない程多様性に富んでいます。又、このエリアに勤務するビジネスマンは約51,000人でしたが、現在は倍以上の約12,000人が勤務しています。
アメリカ大手出版社コンデナスト CONDE NAST が2011年にタイムススクエアからワールドトレードセンターにオフィスを移転し、2015年大型ショッピングモールBrookfield Placeが改装オープンしたときは、話題になりました。
下記は2013年~2018年のマンハッタンのオフィス空室率を示すグラフで、赤線がローワーマンハッタン、真ん中青線がミッドタウン、一番下の灰色線がミッドタウンサウスです。ローワーマンハッタンの空室率が2018年に急激に上昇しているのは、まだ交渉中で契約済になっていない案件が多く、それらの案件の数字に盛り込まれていないからです。ちなみに、2018年アメリカ全土のビジネス街でのオフィスの平均空室率はおよそ12.5%です。
オフィス・クラスA(最高級レベル)のスクエアフィート当たりの平均家賃を見てみると、ローワーマンハッタンは$67.20と、他のマンハッタンのエリアと比較して割安であることが、大手企業が移転する大きな理由となっています。
ローワーマンハッタンに建設中のホテル一覧
また、人気観光スポットに便利ということで、このエリアには現在数多くのホテルが建設中です。2020年までにホテルの部屋数は27%増加します。
ローワーマンハッタンに建設中の賃貸・コンドミニアム一覧
住居は現在33,100戸(59%が賃貸アパート、35%がコンドミニアム&コーポ)ありますが、新開発物件が続々と建設中です。新たに完成する建物の75%はコンドミニアム、25%は賃貸アパートで完成すると合計2,670戸となります。
ローワーマンハッタンのコンドミニアム販売価格推移
現在、ローワーマンハッタンのコンドミニアム販売価格中心値は1ミリオンドルをわずかに下回っていますが、他のマンハッタンエリア同様、市場が一旦落ち着いているからです。
ローワーマンハッタンの今後の取り組み
Alliance for downtown New Yorkでは、多くのデジタル・メディア会社がローワーイーストサイドにオフィス移転していることから、若年層に人気のトレンディーエリアにするべき町開発に取り組んでいます。開発が進んでいるローワーマンハッタンは、今後益々の居住者・訪問者・ビジネスマンの増加が見込まれる注目エリアです。