新型コロナウイルスの経済的影響は広範囲に及んでおり、あらゆる中小企業が打撃を受けており、いつ収束するか等、多くのことがわかりません。ニューヨークの不動産市場は現時点では物件価格に影響はありませんが、この状態が継続すると影響はでてきます。
現在のニューヨーク不動産物件内覧方法
米不動産協会による調査によると、1週間前多くの企業や学校が閉鎖される前でさえ、全国の売り手の25%が見込み客が内覧する際には手洗い、もしくは手消毒剤の使用を義務付け、更に靴を玄関に置いてブーツを着用、キッチンや浴室の備品に触れないように要請し始めていました。ジムや子供用ルームなどアメニティーが見れない建物もあります。
オープンハウス来客数を絞り込むため、出席予定者に事前登録を要求し、電話で最近国外に出ていないことを確認し、関心を評価後にアポイントを確定しています。通常ニューヨークでは週末のオープンハウスの平均数は5,500〜6,000件ほどありますが、先週末の3月14〜15日には3,900件で、それらのほとんどはキャンセルとなりました。
又、ブローカーは、外出することを心配しているクライアントのためにZoomやFaceTimeを介して物件案内をしています。
住宅ローンや家賃が支払えないニューヨーカー
ニューヨーカーのおよそ39%は毎月の給与から、住宅ローンや家賃を支払っており、経営悪化や解雇により生活に困る人が急増しています。ビル・デ・ブラシオ市長は住宅ローンの支払い(財政難に基づく)と差し押さえの90日間の停止を発表しました。しかし家賃に関しては現在保留中で、危機の期間中家賃を凍結するよう求めるオンライン請願を開始したばかりです。
又、テナント保護局は、「家主はCOVID-19の感染者したテナントに、恐怖、もしくは不名誉だという理由でアパートから退去させることは出来ない」とガイドラインに記載しています。テナントが病気であるために家から追い出されることは違法であると強調し、病気のために家主から嫌がらせを受けているテナントは、NYC人権委員会への報告を勧告しています。
郊外へ一時的に移住するニューヨーカー
ニューヨーク市がほぼ全面的な閉鎖に向かうにつれて、金銭的に余裕のある一部のニューヨーカーは人口密度の低い郊外へ逃れています。郊外にセカンドハウスを所有する人々はそちらに移住し、所有していない人々は2週間程の短期レンタルを探しておりますが、短期物件は数が少なく希望する全ての人には用意できなくなっています。
今後のニューヨーク不動産市場
現時点では、ニューヨーク住宅価格への影響については、様子見段階です。購入を検討している方は、少し待った方が良いでしょう。ニューヨーカーも過去数週間、オンライン物件調査に費やす時間が増加しています。
生活がやがて通常に戻ると、生活に困窮するニューヨーカーが現金を調達するために家を手放す可能性があるため、売り物件の増加を予想するブローカーもいます。
2008年のリーマンショックの際には、マンハッタンの物件価格はおよそ10%下落したものの、その後1年程で元の価格に戻っています。今後、ニューヨークの不動産市場は買い手に有利な方向に向かう可能性があります。現時点では購入時期を見計らうのが賢明です。
【注目エリア・トップ10】2020年ニューヨーク不動産市場
【トップ5】マンハッタン家賃相場ランキング
【トップ5】マンハッタン低家賃相場ランキング
ニューヨーク最新不動産情報・2019年第4四半期
ニューヨーク不動産購入の流れ・準備