新型コロナウィルスの影響を受け、ニューヨークの2020年第1四半期不動産市場の販売件数は大きく下落しました。
2020年ニューヨーク不動産市場
ニューヨークの不動産市場は2020年に1月から2月までは株価と経済の強さに後押しされ、非常に勢いがあるスタートを切りました。
その頃はまだコロナウィルスが遠く感じられており、ニューヨーカーはレストランを頻繁に訪れ、友人、同僚、クライアントに握手や抱擁で挨拶を続けていました。
しかし、2月の後半頃から次第にアメリカでコロナウィルスの感染者が報告されるようになり、中国から帰国したクルーズ船からの感染者、そしてシアトルでは高齢者に感染者が出始めました。
3月の最初の数日で、状況はより深刻になり、ニューヨーク市の多くの住民が郊外の家族や友人宅、もしくはセカンドハウスに移住してしまいました。
不動産市場においては、しばらくは手袋、消毒剤などを使用して内覧を行っておりましたが、次第に売手、買手、そしてブローカーまでも感染リスクを冒すことに不安を感じ始めました。
クオモ 知事が3月20日、在宅勤務を要請した時点では、マンハッタン、ブルックリン、およびクイーンズのほとんどすべての不動産活動は既に休止状態となっていまいました。
今日のニューヨーク不動産市場
今日の不動産市場は、高まる感染者数と死者数で不安で覆われています。
すべてのエコノミストは景気後退を予測していますが、仕事に戻ることができる時期を予測することはできないため、誰もがどれほど深刻になるかを予測することはできません。
いくつかの契約はまだ署名されていますが、 新たな契約への成立は停滞しています。オンラインで3D内覧をすることは出来ますが、実物を見ずに1億円以上支払う買主はいないからです。
一部の買主は、1か月後の状況を確認するまでクロージングを延期しています。又、一部の企業は、株式ポートフォリオの不確実性と急落する価値を反映するために、契約価格の再交渉を試みています。
また、契約準備ができている売主と買主でさえ、問題は立ちはだかっています。不動産鑑定人や引っ越し業者の入室を禁じている建物が多く、又、クロージングも同じ空間に座って行えないからです。
2017年~2020年第1四半期販売件数比較グラフ
2020年マンハッタン・ブルックリン・クィーンズの契約件数(コーポ・コンドミニアム・コーポ・タウンハウス)を見ると、3月になって契約件数が大幅に下落した事が確認できます。
1月:3,135件
2月:2,727件
3月:1,847件
※ACRIS(The Automated City Register Information System ニューヨーク市登録情報システム)より参照
未来のニューヨーク不動産市場
未来がどうなるかは誰にもわかりませんが、過去の危機を指針にすると、物件価格は下落するが、人々が再び安全に生活できると感じるようになると、需要は高まっていきます。
購入を検討中の方は、今後の市場をしっかりと見極め、買い時を見逃さないようにしましょう。