ニューヨーク市の住居用不動産は、4つの種類に分類できます。
タウンハウス・Townhouse
一軒家・平屋・隣と壁を接する長屋の事。
1ファミリーハウス=1世帯住宅
2ファミリーハウス=2世帯住宅
3ファミリーハウス=3世帯住宅
「Fee Simple=完全所有権」と呼ばれ、所有者は当該不動産を自由に売却し、交換取引し、または遺贈することができます。
コンドミニアム・Condominium
日本の分譲マンションに相当します。
購入者は実際に個々のユニットを所有し、区分所有建物において専有部分に対する完全所有権とロビー、エレベーター、廊下、ジム、プール、屋上テラスなどの設備の共用部分の権益を含みます。
転売・賃貸の際にはコンドミニアムのボードより承認を得る必要があります。
通常、コンドミニアムボードには、転売・賃貸の承認を拒否する権利はありませんが、財務諸表の提出と、場合によっては面接を要求することもあります。
また、拒否の代わりにボードは、優先交渉権「right-of-first refusal」を行使して、最大30日間防ぐことができます。しかし、その権利を行使するためには、申込者と同じ価格、同じ条件でユニットを購入する資金を準備しなければなりません。コストと複雑さのため、事実上行使されることはありません。
コープ・Co-op / Cooperative Apartment
共同所有アパートの事。
所有者が法人としての協同組合を設立し、購入者はその建物の株式をアパートの価値(面積)に応じた枚数を購入した上で、賃借権を得ます。
不動産の所有権はないですが、株主としてそのアパートを独占的に占有する権利があり、その建物の株主である限り存続します。
他の企業と同様に、コープは定款に基づいて運営されています。
通常、株の所有者が転売や賃貸を希望する場合は、財務情報等の書類提出とインタビューの後に、コープの株主が集まるボード(委員会)より承認される必要があります。
ボードは所有権の最低財務要件を設定しており、又、法的に禁止されている理由(人種や宗教など)を除いて、理由もなく購入者を拒否できます。
ただし、現在、ボードは拒否の理由を明確にする必要はないため、拒否が実際に合法であるかどうかを判断することは困難です。
毎月のメインテナンス・フィー(Mtt ) の中には固定資産税、住宅ローン支払利子(コープが建物に住宅ローンがある場合)や維持費、共益費が含まれます。
コープの株主は不動産を所有していないため、不動産税を市に直接支払いません。
代わりに、建物の所有者であるコープが税金を一括して支払い、所有する株式に基づいて各株主に税金を割り当てます。
年末に、各株主は不動産税の支払い明細書を受け取ります。
コープが建物に住宅ローンがある場合、住宅ローンに支払われた利息も各株主に割り当てます。これらの利息分は、税額控除を受けることができます。
もちろん、株主は自分の住宅ローンの利息を差し引くこともできます。
多くの銀行はコープ購入時の住宅ローンに高い金利を課します。
何故なら万が一差し押さえが発生した場合に、コープの審査の難易度によって転売に時間を要し、銀行の損失を埋めるのに時間がかかる可能性が高いからです。
コンドップ Condop
コープとコンドミニアムのハイブリッドです。この用語は、2つの異なる概念があります。
① 建物が概念的に(場合によっては物理的に)マンション部分とコープ部分に分割されている場合。
通常、上層階に住居スペース、低層階に商業用スペースがあります。住居がコープ、商業用スペースがコンドミニアムとして所有されています。
② 所有形態はコープですが、コンドミニアムのルールに基づいて運営されています。
多くの場合、基礎となる土地が所有されておらず、借地権となっています。
ニューヨークのマンション法では、コンドミニアムはそれが置かれている土地をリースできないためです。
ボードは、コンドミニアムと同じ「right-of-first refusal」拒否権を持っています。